一日一日新たに

先日、参拝者の方からこんな話をききました。
「仕事が忙しくて心に余裕がありません。そのせいで家族とも気まずくなってしまいました。どうすればいいのでしょう?」。
この方はきっと「失敗してはいけない」と「人の目」「他人の評価」を必要以上に気にしているのでしょう。私たちは日々の生活で、つい「結果」や「成果」を追い求めがちです。仕事で成績を上げること、顧客や同僚、上司とうまくやること、子どもの振る舞い…。
どれも大切なことですが、「他人の目」ばかりに気を取られると、心がだんだんと窮屈になってしまいます。
神道の教えに「一日一日を新たに」という言葉があります。これは「昨日の失敗や明日の不安に縛られず、今を誠実に生きなさい」という意味です。大切なのは「今この瞬間、どれだけ心を澄ませ感謝をもって過ごせるか」。
その積み重ねこそが、幸せへの道である、と教えてくれているのです。
例えば、朝起きて「今日も朝食が食べられる。ありがたい」と思うこと。道端の花に気づいて「きれいだな」と微笑むこと。
誰かに「ありがとう」と素直に伝えること。
ほんの小さなことでも心が澄む瞬間には、必ず神様の光が差し込んでいます。
人はよく「運を良くしたい」と願います。その「運」は突然降ってくるものではありません。
日々の「感謝の心」の中に自然と育まれていくものです。
苦しいとき、辛いとき。
それは神様が自分を試してくださっている、困難を乗り越える力が自分にあるかどうか「お試し」なのだ、と気づけば、困難はただの壁ではなく光に見えてくるでしょう。
御神前に手を合わせながら、参拝者の方が涙を流される姿を何度も目にしてきました。それは弱さから来る涙ではなく「本来(新しい)自分」になった涙なのです。
神様の前で、自分の強みも弱みも全て出して素直にまり、新たな行動を誓う。そのとき「新しい自分」にすでになっています。
新しい自分は、どんなことでもできる。
その源は、日々の「小さな感謝」です。